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非住宅木造のコストダウン実践ポイント

非住宅木造 コストダウン

非住宅木造のコストダウン実践ポイント

 

中大規模木造は、脱炭素社会やESG投資の流れの中で注目を集める非住宅建築の新たな選択肢です。

しかし、普及が進む一方で最大の課題とされるのが「コスト」です。

鉄骨造やRC造に比べ、木造は構造自体のコストメリットがあるものの、設計手法や構造計画を誤ると逆にコスト高になりやすい特徴も持っています。

そのため、非住宅木造を成功させるには、コストコントロールが設計初期から不可欠です。

今回の記事では、建築実務者が知っておくべき非住宅木造のコストダウンポイントを整理します。

さらに、構造体メーカーであるウッドリンクの立場から、中大規模木造に関する有効なソリューションについても紹介します。

大スパンによって内部空間の柔軟性を確保しながら、柱本数の削減や基礎コストダウンも実現可能です。

設計者・構造設計者・施工会社が一体となり、構造合理化・平面計画の工夫・標準部材の活用等を適切に組み合わせることで、非住宅木造のコストダウンは大きく前進します。

この記事を通じて、中大規模木造の実務に役立つ具体的なヒントをお届けします。

 

非住宅 店舗

非住宅木造のコストダウンが重要な理由

非住宅木造は環境配慮やカーボンニュートラルの流れの中で注目を集めています。

 

一方で、鉄骨造やRC造と比較した場合、木造は設計・施工の合理化が十分に行われないとコスト高になるリスクもあります。

 

特に中大規模木造では「木造=安い」と単純には言い切れず、事業収支に大きな影響を与えます。

 

そのため、コストコントロールは経営判断上も極めて重要です。

 

設計段階から構造計画・材料選定・施工計画まで、一貫してコスト最適化を意識することが、非住宅木造の普及促進にもつながります。

 

中大規模木造の普及とコスト課題

中大規模木造は倉庫・店舗・事務所・医療福祉施設など様々な用途で実績が増えていますが、その普及を阻む最大要因が「コスト感」です。

 

設計側の経験不足や流通材を活かせないプランによって、木造であるはずのコスト優位性を活かせず、鉄骨造と遜色ないコストになるケースもあります。

 

普及には「普通の中規模木造」として、標準化・合理化された計画が必要です。

コスト管理が事業成功のカギ

非住宅案件は事業収支で厳密に採算が問われます。

 

特に投資型施設(収益不動産や賃貸系物件)では、イニシャルコスト・運用コスト・メンテナンスコストを踏まえた総合的なコスト管理が必要です。

 

木造の強みはイニシャルだけでなく、工期短縮・償却期間の短さ・維持管理面の利点も含めたトータルコストの提案にあります。

 

設計初期からのコスト意識が成功の分かれ目です。

設計初期段階の計画が重要

コストダウンは施工段階ではなく「設計初期」で決まります。

 

平面計画の整理、スパンの統一、階高の合理化、設備計画の整合性など、初期設計で最もコストに効く判断が必要です。

 

また、部材断面や加工可能寸法を把握し、プレカット・加工コストの抑制も設計段階での工夫にかかっています。

 

設計事務所・構造設計・構造材メーカーの早期連携が不可欠です。

 

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中大規模木造のコストダウンのポイント

意匠設計 構造設計

設計段階でのコストダウンのポイント

非住宅木造でコストダウンを成功させる鍵は「設計段階の合理化」にあります。

 

特に平面計画・スパン設定・階高設定の整理はコストに直結します。

 

意匠設計と構造設計が早期に連携し、仕様を整理することで、構造部材の定型化・加工費削減・施工性向上が可能になります。

 

さらに設備計画や配線経路も整理すれば、施工段階の無駄な手戻りが減り、総コストが安定します。

平面計画と構造計画の連動

平面計画が複雑化すると、梁・柱の配置が複雑になり、構造部材の断面が大きくなります。

 

できるだけスパン割りを整理し、モジュール設計することで構造負担は減少します。

 

また、通し柱や合理的な耐力壁配置により構造バランスも安定し、必要耐力を抑えられます。

 

平面の整理はコストダウンだけでなく施工安定性にも寄与します。

スパン・階高・規模の最適化

スパンは一般流通材に適合させ、できるだけ6m以内、特注材を使う場合でも最大で9-10m以内を目安に検討します。

 

階高も一般在来工法に適する寸法(梁せい+設備配管+天井懐)を事前に調整します。

 

階高やスパンを無理に伸ばすと梁補強や鉄骨混用が必要になり、コストが急上昇します。

 

最適スパン・最適階高は設計初期の合理的判断がポイントです。

設備計画との整合性確保

電気・空調・給排水などの設備計画は、木造の梁・柱配置を把握して計画します。

 

施工での配管経路変更はコストロスの原因となります。

 

特に天井懐に余裕を持たせる設計、梁貫通計画の事前検討などで設備施工コストも低減可能です。

 

構造設計と設備設計の事前協議が重要です。

 

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中大規模木造の設計のコツ 美しいデザインと構造安全性を両立!

木造倉庫 在来軸組工法

材料選定と流通材活用によるコスト削減

中大規模木造でのコストダウンを実現する上で、材料選定と流通材活用は極めて重要です。

 

無理に特注材や特殊構法を採用せず、流通している規格寸法の構造用製材や構造用集成材を活用することで、材料費・加工費・物流費のトータルコストを抑えることが可能になります。

 

特に在来軸組工法をベースに標準寸法で設計すれば、設計自由度を確保しながら高いコストパフォーマンスを実現できます。

 

 

流通材の標準寸法を活かす

木造建築における構造部材の多くは、105角・120角といった標準寸法の集成材・製材が安定供給されています。

 

これら流通材を前提に断面設計を行うことで、特注材や異型加工の必要が減り、調達コストが安定します。

 

また、プレカット工場での自動加工にも適合しやすく、加工賃も抑えられます。

 

特に6m材といった標準スパンに合わせた計画が有効です。

 

在来軸組工法の効率化

在来軸組工法は非住宅木造でも十分活用可能です。

 

特に平屋建て・低層建築では、耐力壁配置と接合部計画を整理すれば、中大規模にも適応できます。

 

特殊構法に比べ設計自由度が高く、職人の技量に依存しすぎない合理化が可能です。

 

また、流通材の活用とも相性が良く、部材の規格化・統一化がスムーズに進みます。

 

事前の構造設計段階で部材統一を図ることがコスト低減につながります。

プレカット加工・技術の活用

プレカット工場の高度な加工技術を活用すれば、現場施工の手間を大幅に削減できます。

 

複雑な仕口加工・耐力壁パネルの事前加工・構造躯体のユニット化なども可能で、施工スピードが向上し、工期短縮と人件費削減に直結します。

 

ウッドリンクのような構造材供給会社が早期設計段階から参画することで、プレカット仕様の最適化を事前に図れ、加工コストも抑えられます。

 

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職人不足解消の鍵:木造建築のプレカット技術

WOODCORE 大スパン構造

大スパン構造ソリューションの活用

非住宅木造の中でも倉庫・物流施設・店舗・多目的ホールといった用途では、大スパンの木造が有効です。

 

スパン長を伸ばすことで内部の柱本数を減らせるため、平面の自由度が向上し、設備計画の効率化、コストの低減にもつながります。

 

ウッドリンクが提供する大スパン構造ソリューションは、こうした中大規模木造のコスト合理化に貢献する実践的な技術です。

ウッドリンクの大スパン構造の特徴

ウッドリンクの大スパン木造では、集成材トラスや張弦梁、ラーメンフレーム技術を活用し、10m超えのスパンを実現可能です。(※設計条件により異なります)

 

標準化された設計システムを活用することで、部材設計・接合部設計・加工まで一貫した合理化が可能となり、特注要素を最小限に抑えた設計が行えます。

 

設計自由度を確保しつつ、高度な構造安全性と施工合理化を両立できるのが大きな強みです。

基礎のコストダウンへの貢献

大スパン構造により内部の柱本数を減らせると、基礎の杭本数・フーチング面積も削減できます。

 

特に地耐力が限定されるエリアでは基礎工事コストに直結する大きなメリットです。

 

また、柱脚部の基礎補強が限定的で済むため、施工手間も減少します。

 

全体工期の短縮にも寄与し、基礎コストは大スパン構造を採用する最大のコストダウン要因の一つです。

多くの用途に対応可能でメリット多い

店舗・倉庫・事務所・畜舎など、多様な非住宅用途で大スパン木造は採用が進んでいます。

 

梁下無柱のフロア計画が可能となり、将来的なレイアウト変更にも柔軟に対応可能です。

 

用途変更・増改築時の自由度が高く、長期利用を見据えた施設計画にも適しています。

 

収益施設においては稼働率・利便性にも直結する重要な設計要素です。

 

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大スパン構造ソリューション

中規模木造 非住宅

まとめ

非住宅木造は今後ますます需要が高まる分野ですが、成功の鍵は設計初期からのコストダウン設計にあります。

 

平面計画・スパン計画・流通材の活用・プレカット技術の導入・設備整合性の確保など、多くの工夫が積み重なって最適コストが実現します。

 

さらに、ウッドリンクが提供する大スパン構造ソリューションのように、木造でも広大な空間を実現しつつ、基礎コストや内装コストを抑える手法も有効です。

 

倉庫・店舗・福祉施設など様々な用途での実践事例からも分かるように、構造材メーカー・設計者・施工者が早期に連携し、計画段階での合理化を進めることが重要です。

 

中大規模木造の普及促進には、こうした「コストと品質を両立する合理的な木造建築」のノウハウが不可欠であり、ウッドリンクはその実現を全力でサポートしています。

中大規模木造にご興味のある方は、お気軽にお問い合わせください。

ウッドリンク

ウッドリンク中大規模木造の頼れるパートナー

 

ウッドリンクを一言で言えば、「木造建築の構造体メーカー」です。

 

ウッドリンクでは阪神大震災を機に構造体の独自開発をスタートし、耐震性と断熱性に優れた高品質軸組パネル「プレウォール工法」を開発しました。

 

プレウォール工法はこちら

 

現場加工ではなく、プレカットと呼ばれる工場加工を行うことで、品質の安定した高精度な構造体を提供することができます。

 

降雪地帯で湿度の高い、北陸の気候に適した「プレウォール工法」。

 

その高い信頼性が支持され、ウッドリンクは構造体メーカーとして北陸No.1シェアの実績があり、倉庫や店舗、高齢者施設などの非住宅の用途にも多くの実績があります。

 

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