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中大規模木造設計の3つのポイント|構造・防耐火・コスト

中大規模木造の設計

中大規模木造の設計は構造・防耐火・コストがポイント

中大規模木造建築は、環境に優しく、デザインの自由度が高いことから、近年注目されています。

しかし、その設計の成功には「構造」「防耐火」「コスト」という3つの要素を適切にバランスさせることが不可欠です。

構造計画では、建築の安全性を確保しながら、意匠設計との整合を図ることが重要です。

また、法律や基準で求められる防耐火性能を確保することで、木造建築でも耐火建築物や準耐火建築物に対応することが可能となり、より大規模なプロジェクトにも適用できます。

注意点としては、防耐火性能を確保するにはコストがかかるため、適切な建築計画や適材適所の建材選定がポイントとなります。

さらに、コストコントロールにおいては、建設費用だけでなく、建築物の長期的な維持コストも考慮する必要があります。
本記事では、中大規模木造の設計におけるこれら3つの要素のバランスを取るための具体的 な手法とポイントを解説していきます。

トラス工法

中大規模木造 の 設計 でポイントとなるのは?

中大規模木造の設計においては、押さえておくべき重要なポイントが複数あります。
特に重要なのが、「構造」「防耐火」「コスト」です。
これらの項目に適切に対応することで、中大規模木造を実現することができます。

設計 の初期段階での重要な確認事項

設計の初期段階では、プロジェクト全体の基本方針をしっかりと確認することが重要です。
特に、木構造に関する構造計画や工法、耐火性能の基準などは、早期に決定しておくべきポイントです。

また、意匠設計と構造設計の整合性を図るためにも、初期段階での打ち合わせや調整が欠かせません。
この段階でしっかりと計画を立てておくことで、後の施工がスムーズに進み、予期せぬコストの増加を防ぐことができます。

法規制 に適合するためのチェックポイント

中大規模木造建築では、法規制に適合することが大前提です。
特に防火地域や準防火地域においては、耐火性能の確保が法的に求められます。
また、耐震基準も厳しく定められており、適切な構造設計が必要です。
これらの法規制に従うためには、建築確認申請前にすべての項目をチェックし、必要に応じて専門家の意見を取り入れることが重要です。
法規制に適合する設計を行うことで、後のトラブルや追加費用の発生を防ぐことができます。

構造 、 防耐火 、 コスト のバランスを取る方法

構造、防耐火、コストのバランスを取ることは、 中大規模 木造建築の設計において最大の課題です。
木造の特性を活かした設計・仕様でないとコストが増加し、逆にコストを抑えすぎると耐久性や安全性に問題が生じます。
そのため、初期設計段階からコストと性能のバランスを意識した計画を立てることが重要です。
計画内容に適した木構造を選択し、過剰な仕様を避けることで、コストを抑えつつも安全で 機能的な木造建築を実現できます。

ブレスターH Ttype

中大規模木造 の 設計 における 構造計画 の重要性

中大規模木造建築の設計では、構造計画が特に重要です。
建物の安全性を確保しながら、意匠設計との整合を図ることで、機能的かつ美しい建築が可能となります。
特に中大規模木造建築においては、構造用集成材や金物工法などの技術を活用することで、強度を保ちながらも自由な設計が可能です。

中大規模木造 の 構造計画 の基本要素

中大規模木造の 構造計画を立てるためには、まず建物の荷重や風圧、地震などの外力に耐える構造を設計することが重要です。
中大規模木造の 構造計画のポイントは、適材適所の工法・構造材の選択です。
また、意匠設計との整合性を保ちながら、強度や耐久性を最大限に引き出す構造体の配置を考慮する必要があります。
例えば、柱や梁の位置は建物全体のデザインにも影響を与えるため、基本設計段階から意匠設計者と構造計画の内容について協議し、調整を行うことが求められます。
さらに、接合部に金物を用いる金物工法などの技術を活用すれば、強度を確保しつつ設計の自由度を高めることができます。

金物工法 の強みと 設計 への応用

金物工法は、中大規模木造建築において非常に有効な技術です。
この工法は、接合部に金物を使用し、接合部の強度を向上させることで、木造建築の弱点とされていた耐震性や耐風性を克服します。
また、設計の自由度が高く、意匠設計との調和も取りやすいため、独創的な建築デザインを実現することができます。
金物工法を取り入れることで、強度を保ちながらも大空間の木造建築が可能となり、さまざまな非住宅用途の建築物に適用可能です。

意匠設計 と 構造設計 の整合性を図るためのポイント

意匠設計と構造設計をバランスよく進めるためには、双方の連携が欠かせません。
特に中大規模木造では、構造体が建築全体のデザインに直接影響を与えるため、設計初期から両者が協力し合うことが求められます。
構造設計者は、意匠設計者の要求を取り入れながら、強度や耐久性を確保する設計を行い、意匠設計者は建物の美観と機能性を両立させるための工夫を凝らします。
構造体の配置や接合部のデザインが美しく仕上がれば、建物全体の完成度が向上します。

鋼製ブレース 中大規模木造の施工

中大規模木造 でも実現可能な 防耐火 の 設計

木造建築と聞くと、火災に弱いというイメージを持たれることが多いですが、近年の技術発展により、防耐火設計を行うことで、木造でも十分に防耐火性能を持たせることが可能です。
建築基準法では、耐火建築物や準耐火建築物の区分があり、これに対応した設計と仕様が求められます。 特に、中大規模木造建築では可能な範囲で、準耐火建築物で計画することでコストと耐火性能をバランスよく両立することが可能です。

木造耐火建築物 の基礎知識

木造耐火建築物の設計には、まず「耐火性能」の基準を理解することが重要です。
耐火建築物は、建築基準法上、最高水準の防火性能を有する建築物です。
たとえ消火活動が実施されなかったとしても、想定される火災で建物が燃えた後も崩壊せず、自立し続ける性能をもつのが耐火建築物です。
木造の耐火建築物を実現するには「木を見せること」にこだわらない姿勢が重要となります。
木造の耐火建築物を現実的に設計するためには、一般社団法人日本木造住宅産業協会が取得している国土交通大臣認定工法を用いるか、国土交通省告示を用いて実現する方法が現実的です。

木造準耐火建築物 の基礎知識

木造における準耐火建築物は、耐火建築物よりもコストを抑えつつ、十分な防火性能を持つことが可能なため、中大規模木造において高いニーズがあります。
準耐火建築物とは、耐火建築物以外の建築物で、主要構造部が準耐火構造(法2条9号の3イ)又はそれと同等の準耐火性能を有するもので、外壁の開口部で延焼のおそれのある部分に防火戸等を有する建築物のことをいいます。
準耐火構造とは、壁、床、柱等の建築物の部分の構造のうち、準耐火性能の基準に適合する 構造で、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものです。

中大規模木造 における 準耐火建築物 の メリット

木造は準耐火建築物であれば、建築基準法改正による優遇や、耐火建築物と比較してコストパフォーマンスが向上するなどのメリットが大きくなります。
耐火建築物よりも準耐火建築物のほうが、建材や施工の費用を抑えることができ、大幅に建設コストを抑えることができます。
木造の準耐火建築物のコストと比較して、木造の耐火建築物とすることで最もコストアップとなるのが内壁、外壁、設備工事であり、内壁・外壁では石こうボードや断熱材の費用が増します。
準耐火建築物となることで、木造の優位性を発揮できるとも言えます。

中大規模木造の設計

中大規模木造 における コストコントロール の方法

中大規模木造建築では、コストコントロールがプロジェクトの成否を分ける重要な要素です。
木造建築の魅力はコストパフォーマンスの良さにありますが、木造の特性を活かした設計・仕様選定を行わないと施工費がかさみ、予算を超過するリスクがあります。
中大規模木造建築におけるコストパフォーマンス向上には、木造のモジュール遵守、適材適所の構造計画、木造住宅で普及している既製品の活用等が必須です。

中大規模木造 に 性能 と コスト のバランス

非住宅建築物の木造化の推進には、コストは重要な要素であり低コスト化は必須です。
中大規模木造 建築 の低コスト化を考えた場合、最も重要なことは、木造の特徴を知り、その特徴にあった設計・施工を行うことです。
中大規模木造 建築 を適正なコストで実現するためには、木造に関するコスト感覚を掴むことが重要です。
年々、発注者のコスト意識も高まっておりますし、設計者が工事費を把握しながら設計を進 めることが木造化の流れの中では特に求められます。

中大規模木造 における 構造計画 と コスト削減

中大規模木造 建築 における コスト削減のためには、構造計画の段階で無駄のない構造材選定を行うことが重要なポイントです。
建物全体の強度を保ちながらも、特注の構造材や特殊な施工を減らすことで、適正価格な木造建築を実現することができます。
また、最新の建築技術を取り入れることで、施工時間の短縮や現場での効率化を図り、トータルコストの削減を目指すことも可能です。

中大規模木造 における 維持管理

中大規模木造 建築 のコストにおいては、維持管理も考慮すべき要素です。
建物の劣化原因を軽減できる計画を行うことで、長持ちする建物へと導きます。
さらに建物全体、部位、部材、部品ごとに、目標とする耐用年数を定め、それを考慮して建物の計画・設計および維持管理計画が求められます。
清掃、点検、保守作業などが効率的かつ安全に実施できるよう、作業空間や機器材の搬出入経路、配管、配線スペースを確保し、必要に応じて作業用設備を設置する必要があります。

中大規模木造の設計

中大規模木造建築 の動向

木造建築は技術の進展に伴い、国内外で多くの成功事例が生まれています。
これらのプロジェクトは、木材の特性を最大限に活かし、持続可能で経済的な建築物を実現しています。 最新の木造建築事例を学ぶことで、プロジェクトに応用できる技術や設計のヒントを得ることができます。

国内外の 中大規模木造建築 の展開

近年、国内外で多くの中大規模木造建築が成功を収めています。
日本では、CLT(クロス・ラミネイティッド・ティンバー)を使用した木造建築が増えており、環境に優しく、耐火性能を持つ建築物が注目されています。
海外でも持続可能な建築として木造建築が評価されています。
これらの事例から学べることは、技術の進展によって木造建築がさらに大規模かつ安全に実現できるようになっているということです。

最新の 木造建築 と コストパフォーマンス

木造建築における最新技術は、構造の強度や耐火性能を向上させるだけでなく、コストパフォーマンスも高めています。
木造建築においても適切な設計を行うことで、大規模な空間設計が可能となり、従来の鉄筋コンクリート造や鉄骨造に比べて、建設コストを抑えることができます。
さらに、これらの技術は、施工時間を短縮し、現場での手間を減らすことで、トータルコストの削減に寄与しています。
こうした最新技術を活用することで、経済的で持続可能な木造建築が実現可能です。

大規模木造 プロジェクトの トレンド

大規模木造建築の分野では、持続可能性と環境負荷の低減が重要なトレンドとなっています。
特に欧米では、木材が再生可能資源である点に着目し、木造の高層ビルや公共施設が次々と建設されています。
日本国内でも、地方自治体や企業が木造プロジェクトに取り組み、地域材を活用した建築が進んでいます。
このようなトレンドにより、木造建築は今後ますます拡大し、環境に配慮した建築物として、社会的な需要が高まることが予測されます。

中大規模木造の設計

まとめ

中大規模木造の設計は、単に美しいデザインを追求するだけではなく、構造の安全性や防耐火性能、さらにはコストのバランスを取ることが成功の鍵です。
木造建築の可能性は、技術革新により大きく広がり、商業施設や公共施設のような大規模なプロジェクトにも対応できるようになっています。
しかし、耐火性能を持たせるための防耐火設計には性能を満たすためのコストがかかるため、コストコントロールが非常に重要です。
対応可能な場合は準耐火建築物で計画することで、コストを抑えつつも高い防火性能を維持できるため、コストパフォーマンスの高い木造建築が実現可能です。
また、意匠設計と構造設計の整合性を図り、初期段階からの連携を深めることで、より魅力的で機能的な建築が完成します。

ウッドリンク は 中大規模木造 の頼れる パートナー

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