非住宅木造システム”WOODCORE” 1棟目 建て方レポート
2025年5月19日から20日にかけて、当社オリジナルの非住宅木造システム「”WOODCORE”トラスフレーム」を採用した倉庫の建て方工事を実施しました。
記念すべき第1棟目となる今回の建物は、石川県羽咋市に建つ、スパン(梁間)9.1m、奥行き20m、面積182.18m2の平屋建ての倉庫です。
内部には壁や柱を設けず、すっきりとした大空間を実現しており、木造でありながら鉄骨造に匹敵する大スパン構造となっています。
また、建物の高さは9mと非常に高く、外観の印象としては平屋というよりも実質的には3階建て相当のボリューム感があります。
このスケール感と開放感は、「”WOODCORE”トラスフレーム」ならではの特徴です。
さらに、当社が独自に開発・製造している「プレウォールパネル」も採用。
あらかじめ工場で高精度に製造されたパネルを建て方と並行して施工を進めることでトータル施工時間を短くすることができました。
このコラムでわかること

熟練のチームによる効率的な建て方
今回の建て方には、大工職人5名とウッドリンクパネル施工チーム4名、計9名の施工体制で臨みました。
1日目は、柱の建て込み、柱とパネルの地組、桁材の設置をそれぞれ並行して進めることにより、作業効率を最大化しました。
その結果、初日は予定以上のペースで進み、3層目のパネル設置まで完了することができました。


2日目は、いよいよ構造の要となる「”WOODCORE”トラスフレーム」の施工です。
トラスフレームは事前に地上で地組(仮組み)を行なっております。
今回は全体で4つのトラスフレームを使用しましたが、1フレームずつ吊り上げて取り付ける場合、高所作業が多くなり、安全かつ効率的に作業ができない可能性があります。
そこで、あらかじめトラス2フレームと母屋、合板を1ユニットとして地上で組み立て、合計2ユニットを順次設置する方法で進めました。
各ユニットは9.1m×4.5m、高さ1.7m、重量約2トンという大きなユニットで、4か所同時に本体と接合する必要がありましたが、正確な加工技術と熟練した施工力が合わさりスムーズに組み上げることができました。


WOODCOREが実現する次世代の木造非住宅建築
「”WOODCORE”トラスフレーム」は、木造トラス構造の軽量性とラーメン構造の強靭さを組み合わせた、当社独自の非住宅木造システムです。
これにプレウォールパネルを組み合わせることで、高い耐震性を確保しながら、大スパン・大空間の実現を可能にしています。
実際に今回の現場では、建て方全体の工程を短期間で効率良く完了することができ、その施工性の高さが実証されました。
非住宅木造システム”WOODCORE”は、鉄骨造と比較して材料コストを約30%削減できることに加え、プレウォールとの組み合わせによる現場作業の短縮により、さらなるコストダウンと工期短縮が可能です。
今回建設した倉庫については、6/18、6/19に構造見学会を行ないます。
また完成写真や詳細な施工事例として事例集として掲載する予定です。WOODCOREによる新たな非住宅木造の可能性を、ぜひその目でご確認ください。今後の展開にもどうぞご期待ください!